【米国鉄道紀行・雑記編】p5 ワシントンDC、首都見学は忙しい【1】
ワシントンDCにMLBの球団などあるのか? と疑問に思うかもしれない。
昨年(2005年)のシーズンからカナダのモントリオール・エクスポズがDCに移転してきて、ワシントン・ナショナルズ(Washington Nationals)というチームに生まれ変わっているのである。今、ナショナルリーグ(ナ・リーグ)の東地区に所属している。
国立歴史博物館を出て、右にワシントン記念塔、左に議会議事堂を眺めながら、広大な緑地公園ナショナル・モール(National Mall)を横切る。その先に地下鉄スミソニアン(Smithsonian)駅があった。
ここから「オレンジ/ブルーライン」に乗って6駅10分ほどでスタジアム・アーモリ(Stadium-Armory)に着いた。駅から歩いて5分ほどの場所にナショナルズの本拠地、ロバート・F・ケネディ・メモリアル・スタジアム(RFKスタジアム=Robert F. Kennedy Memorial Stadium)がある。
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周辺は住宅街になっていて、ガイドブックには「治安が悪い」との記載もある。そもそもDC自体の犯罪発生率は非常に高いそうだから、そう聞けばそういう風にも見えてくる。人の流れにのって目立たぬように歩く。
陸上競技場のような雰囲気の野球場には、プロサッカーリーグ「D.C.ユナイテッド」のマークとともに、ナショナルズのロゴマークが飾られている。2008年に新球場が完成するまでは、サッカーチームと兼用するのだという。移転球団ならではのドタバタぶりである。
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閑散とした切符売場に行くと、上は107ドル(約1万2310円)から下は7ドル(約810円)まで� �5種類もの席種が紹介されていた。
係員にどの席が空いているのかを聞くと、どこでも大丈夫だという。上から2番目に高い「フィールドMVP」なる席を50ドル(約5750円)で購入。帰国前の寂しさを紛らわすための大盤振る舞いをした。
カウガールのニュースです。
指定された席は一塁ベースの斜め後方、前から二列目の席であった。
グラウンドと同じ高さの位置でネットもないので、恐ろしく臨場感がある。目の前に選手達がいる。日本で最近流行している「フィールドシート」と同じ場所であるが、こちらはヘルメットもなければグローブも貸してくれる訳ではない。
かつて日本で運良く(?)ファールボールに当たった経験があるので、その恐怖が頭をよぎるが、妻は「もしボールが取れればラッキーじゃない」などと能天気な事を言っている。
ボールに当たりたくないだけのためにバッティング練習を注視しているのも疲れてきて、球場内を巡回することにした。
平日のナイター、しかも移転 してきて間もない弱小新球団らしく、まだ観客が少ない。元々は多目的競技場のためか、「ボールパーク」と呼べるような特色は見当たらない。
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店舗はたくさんあるが、どこも似たようなものを扱っている。店員も暇なせいか、ビールを買うたびに身分証明書を求めてきて面倒である。
最初は若く見られたと喜んでいたのだが、30歳くらいまでは確認する義務があると聞いて、がっかりした。
夕食代わりにフライドチキンやホットドックなど、相変わらずのジャンクフード(それしか売っていない)と少々高いビールを買い、ファールボールが来た時のために、とウォルトディズニーのような筆記体で書かれたWマークのナショナルズ帽子を買った。ほんの気休めであるが、赤い色なので某パリーグ球団を思い出すようで気分はいい。
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午後7時5分に試合が始まった。先ほどよりは客の数も増えてきたが、それでもパリーグの平日ナイターのような空き具合。先日のシカゴ・ホワイトソックスのような熱気はないが、座って気楽に観られるのは有難い。
ちなみに4万5500人収容のこの球場に、今日集まったのは2万4669人。昨年最下位で今も5位に低迷するチームにしてはまずまずの入りである。ワシントンDCを本拠地とする球団は33年ぶりだというから、今は地元の期待は高いのかもしれない。日本でも東北に似たような境遇の球団がある。
試合はナショナルズが初回に1点を先制するなど、小刻みに得点を重ね優位に試合を進めていく。中でも1番打者で背番号12の外野手・ソリアーノ(Soriano)という選手がホームランに3四球、1盗塁と大活躍だ。
どこかで聞いたことのある名前だと思ったら、ドミニカ共和国の出身で1996〜97年に広島東洋カープに在籍していたのだという。
日本時代はほとんど成績を残していないが、米国では史上4人目の40本塁打40盗塁を記録するなど、今やメジャーを代表する選手になっている。
ドミニカ時代にカープに見出されなかったら今の彼はいなかったはずだ、と考えると、自分には関係ないにもかかわらずどこか誇らしいような気持ちになった。
� ��語さえ喋られれば、隣で黙々とスコアを付けている野球マニアの青年や、試合前から延々とピーナッツを食べ続けている前列の爺さんなど、そこら中に吹聴して回りたいと思った。
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球場全体がホームチーム一辺倒の応援であるが、今日の相手、フィリーズ(Philadelphia Phillies)はフィラデルフィアが本拠地でワシントンから遠くないこともあるためか、一塁側にはユニフォームを着て応援している人が少しいる。交流戦で隣街のボルチモア・オリオールズと当たった時はどんな状態になるのか気になる。
イニングの合間には球団キャラクターらしきマスコットが出てきて、バズーカー砲のようなもので、グッズなどを観客席に飛ばし入れるセレモニーが度々行わる。
今日はファールボールの危機迫る席に座ったこともあって、真面目に試合を観ていたつもりが、やはり立ち売りが来ると反射的にビールを買ってしまう。
いつの間にか「私を野球に連れていって」(7回)も過ぎており、球場内が歓喜に包まれて試合が終わっていた。ナショナルズが5−2で2位フィリーズを下した。
日本のように勝利インタビューは行われなかった。
※なお、文中に登場したナショナルズのソリアーノ選手は、この年(2006年)のオフ、シカゴ・カブスにFA移籍した。
▼� ��連リンク
・ワシントン・ナショナルズ(公式:英語、試合予定やチケット予約など)
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