Embajada Del Japan En Caracas
最近の犯罪発生状況
総論で申し上げた通り、ベネズエラでは殺人、各種強盗、誘拐等の凶悪事件の発生件数が増加しており、治安問題は深刻な国内問題となっています。 ベネズエラにおける主な犯罪発生認知状況は、日本との比較は勿論、世界的に治安が悪いと言われている他の中南米地域の国と比較しても、非常に高い犯罪認知件数となっています。
2006年中における重要犯罪の発生状況
(1)殺人事件(既遂)
ベネズエラにおける殺人事件の発生件数は近年急激に増加して、2003年中は殺人事件総認知件数が過去最高を記録するとともに、統計史上初めて1万件を突破しました。 更に2006年中の認知件数は12,246件と対前年(2005年)比で2,412件の増加を記録、2003年 を916件も上回り、総認知件数が過去最高を記録する年となりました。
その背景としては、不法けん銃、改造けん銃等が貧民層の人々でも手軽に手に入れることが出来る状況となって いることから、お金欲しさで路上強盗や自動車強盗を敢行し、被害者が抵抗すれば短絡的に発砲、結果として殺人事件に発展するというケースが増加しています。
【参考】
郡刑務所ジョリエットILます
年 | 2000年 | 2001年 | 2002年 | 2003年 | 2004年 | 2005年 | 2006年 |
件数 | 8,022件 | 7,960件 | 9,570件 | 11,330件 | 9,719件 | 9,834件 | 12,246件 |
※ 2006年の発生件数を見ると、人口約2,600万人足らずの ベネズエラで1日平均34件の殺人事件が発生していることになります。これは、他の中南米諸国と比べても極めて高い数字です。
なお、殺人事件について、当国と日本における2006年中(人口10万人当たり)の認知件数を比較すると、当国は日本の約42倍の発生率で、カラカス首都区と東京都を比較した場合は、カラカス首都区は東京の約108倍の発生率でした。
(2)強盗事件(含む自動車強盗)
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2006年中の強盗事件総認知件数は59,532 件で、昨年(2005年)と比べ4,676件増加しています。
自動車強盗については、22,952 件発生、昨年(2005年)と比べ1,570件増加しています。
強盗事件について、ベネズエラと日本における同年中(人口10万人当たり)の認知件数を比較すると、ベネズエラは日本の約48倍の発生率であり、カラカス首都区と東京を比較した場合は、カラカス首都区は東京の約88倍の発生率でした。
(3)誘拐事件
2006年中の略取誘拐事件発生件数は821件でしたが、その内、身代金目的誘拐事件発生件数は232件(対前年比27件増)の発生件数となりました。
短時間誘拐につきましては、393件発生し(過去最高を記録した2004年を1件上回りました。)、過去最高を更新した昨年より1件減となりましたが、今後とも十分な注意が必要です。
略取誘拐事件につき、ベネズエラと日本の同年中(人口10万人当たり)の認知件数を比較した場合、ベネズエラは日本の約15.5倍の発生率であり、カラカス首都区と東京を比較した場合は、カラカス首都区は東京の約18.5倍の発生率でした。
(4)侵入盗事件
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2006年中の侵入盗犯は38,908件(対前年比−4,389件の減少)です。 昨年中は邦人居住者も度々被害に遭っていますので、引き続き注意が必要です。
侵入盗犯の減少について分析すると、手間と時間をかけて住宅に侵入する手口を選ぶよりも、けん銃等を武器として路上強盗、自動車強盗のように短時間で現金、貴金属、自動車等を強取できる手口を選択する不法行為企図者が増加していることが伺え、2006年の犯罪の特徴である「殺人、各種強盗の増加と侵入盗犯の減少」という結果となって現れたと思われます。
(5)他都市との比較
南米の都市(ボゴタ、ラパス、キト)とカラカスを比較(人口10万人あたりの認知件数)した結果は下記の通りでした(未だ2005年の統計が集計されていない都市が大部分ですので、現時点で治安統計が判明している国との比較です。)。
(a) カラカスとボゴタとの比較
比較対照ができた主要犯罪(殺人、略取誘拐)については、カラカスはボゴタより発生率が高く、特に、殺人は約5.7倍、強盗は約3.7倍発生しています。
(b) カラカスとラパス(ボリビア)との比較
治安のバロメーターとも言える殺人についてはカラカスはラパスの約3倍発生し、強盗4.9倍、強姦1.2倍、略取誘拐1.6倍、侵入盗犯については18倍カラカスの発生率が上回っています。
(c) カラカスとキト(エクアドル)との比較
殺人は5.4倍、強盗は1.9倍、傷害については3.9倍、侵入盗犯にあっては1.2倍とカラカスの発生率が上回りました。
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